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  • 執筆者の写真Naomi Saito

里親&養親の当事者研究-⑪

【2021年3月23日 第11回 当事者研究のリポート】


第11回 里親&養親の当事者研究を開催しました。

ファシリテーターはピンチヒッターの齋藤直巨(さいとうなおみ)、板書は写真家の江連麻紀さんでした。

初参加の方1名、可愛い子さん2名を含む、全部で15名が参加してくれました。



★今日の自己紹介★

①名前・お住まい

②体調・気分

③2020年度の特に心に残った事

④最近の苦労




【今日のテーマ】


「レスパイト-続編」


「ティーンエージャー(高齢児)の子どもの関わり方」




本日の当事者研究は、前回の振返りとなるレスパイトについて、後半は今回参加してくれた高齢児のお子さんとの付き合い方について研究しました。





「レスパイト-続編」


前回のレポートを読んだ当事者研究仲間から、「レスパイトの件、あれは一体どういうことなんだろう?」と質問が寄せられたことから本日の研究はスタートしました。

レスパイトは本来子育てをお休みする、用事の際に子どもを預けることができる制度です。

里親同士で預かる場合も、研修を受けた地域の人が預かる場合もあります。



しかし、前回の研究では、レスパイトを使う事自体が抑制されている地域があるという、ある里親さんからの報告があり、参加者全員が大変驚いたということがありました。

孤立した子育てを防止しないといけないのが常識となっている現代において、そんな時代錯誤なことを里親会も含めて発信していることの問題はかなり大きいと思います。



そこで、今日参加された里親さんから、各地のレスパイトについてそれぞれお話ししてくれました。


■川崎市「里親養育援助員」

対象:里親

利用時間:30時間まで川崎市が負担、それ以降は自費負担


川崎市では、里親以外は研修が必要。里親の場合は手続きのみ




■東京「バディーチーム」

対象:里親

利用時間:24時間まで東京都が負担、それ以降は自費負担。

1時間2450円。午前9時前、午後6時以降は2650円。





■北海道 養育援助 

対象:里親

利用時間:無制限(すごい!)


里親養育援助支援は、里親以外は1日程度児相で研修が必要

支援内容:里親さん宅で里子とお留守番、里親サロン中の子どもの保育





子育てを休めるレスパイトの制度は整いつつあるけれど、問題は親側が使いかどうかということも話題にあがりました。

里親として駆け出しの頃はついつい頑張ってしまい預ける事を躊躇したり、自分の力量がないと思われないかと不安になることもあって、人に預けることのハードルは高く、なかなか挑戦できないという課題は地域を問わずあるようです。



「あずかるよー!」となるべく声かけしているけれど、スムーズにはいかないという感覚を持っている人もいました。




レスパイトを利用したことで、子どもが家に帰りたくないと言い出すという、ショッキングな体験をした方も2人いました。

別の里親のところへ泊まりにいくことで、「自分はこの家に必要ないから他へやられるんだ」と感じ、いらないと言われる前に自分から言ってやる!という思いが子どもにあったそうです。(後日、その発言をした子どもが里親に教えてくれたそうです。)


そんな経験をシェアする場面では、レスパイトは里親、養親だけの気持ちだけでなく、子どもの心がどう感じているのかという視点からも理解が必要と感じ、当時のショックを改めて見つめなおす方もいました。



親がしっかり休むということだけでなく、子どもに適切に説明する、あなたは大切な子なんだということを伝えるということも、レスパイトを上手に活用するためには必要な要素なんですね。





「ティーンエージャー(高齢児)の子どもの関わり方」



今回参加してくれた仲間のうち、1人は成人、1人は高校生のお子さんを育てている方がいました。

どちらも警察のお世話になる事なども含めて、なかなかのトラブルを抱えていました。

その時に、親としてどう関わったらいいのだろう?ということが主なテーマで話が進められました。




子どもが小さいうちには「手がかかる」ということで大変な子育ても、ティーンエージャーから成人期になってくると、手が届かないところでのトラブルが増えてきます。

そのトラブルが大きくなって、家族の生活さえも変更を余儀なくされることもあるので、悩みはとっても深いです。




とはいっても、悲壮感ある話し合いにはなっていないのが不思議。

結構笑いながら「どうしたらいいんだろうねー」と一緒に考えることができるのが、当事者研究の面白さ、強みなのかもしれないですね。




さて、色々な経験、思いをシェアしながら、里親さんの言葉でぐぐぐ!と来たものを紹介致します。





高齢児の子どもとの関係では、



「その場にい続けながら示していく」