こんにちは!グローハッピーのくぼでらです。
第三回目のワークショップは、「ばっちゃんの声が聞きたい」と全国から子ども支援に興味のある方々が参加してくださいました。全てをレポートで語れませんが、エッセンスと気づきをまとめさせていただきました。
「まだ、始まってないわよね」とばっちゃんの声がして、画面にばっちゃん(中本忠子さん)が登場された途端、和やかな雰囲気が広がり、参加された皆さんもその温かさに包まれたのではないでしょうか?
普段の会話のごとく話すばっちゃんの話は、心にビンビン響く、始まってすぐに、ティッシュで涙をぬぐう方が続出しました。
「想像していたのと違って、私には出来ないと思った」
ばっちゃんが保護司になる時、中学のPTAの役員をするぐらいに考えていたそうです。けれど、始めてみたら何をしていいかも分からなければ、できることも少なく、「わたしには出来ない」と何度も辞めようとしたそうです。けれども、周囲に引き止められて辞めることが出来なかったそうです。
分からないながらも活動に取り組み、ばっちゃんは犯罪をする子達の理由が見えてきたそうです。
それは、
①孤独 ②空腹 ③環境が原因でした。
この項目の中で、自分一人で力になれることは「空腹」を埋めることだと思いつき、子ども達に自分のご飯を分けるということから始めたそうです。
「1か月90キロのコメを炊く。すべて自費。苦しかったが、止めようと思わなかった。」
類は友を呼ぶごとく、保護観察の子ども1人にご飯を出し始めると、同じように空腹を抱えた子が集まって来ました。
仕事をしながら子ども達にご飯を提供することはとても大変で、どんどん子どもが集まってくると、自分の家なのに自分の心の休まるところが無くなりました。その頃は本当に苦しかったそうです。
不良の子ども達が集まることで、色んなところからもクレームがよせられました。けれども、それが結果として、近所の人が手伝うきっかけにもなったそうです。
保護司の仲間からは、「保護司はそこまでしなくていい。役所から言われた通りにしなさい。」と、注意や誹謗中傷してくる人もいたけれど、子どものための活動をやめることはできなかったそうです。
寄付も無い中で、1ヶ月お米を90キロから100キロ炊き続けて、とうとう貯金も何も使い果たしてしまった時、出身である島の同級生に相談したところ、ばっちゃんの活動を助ける会を作り、その島でとれた野菜や米で応援してくれることになりました。
後に、家族にもその活動が知られることになり、どうして家族に助けてと言ってくれなかったんだと叱られたそうですが、島の仲間と一緒に支援してくれるようになったということでした。
こうやって、少しずつ協力してくれる人が現れる中、それでも押し寄せる子ども達の空腹を満たすために、信頼する方のアドバイスから「食べて語る会」が出来上がり、それでも足りないので、周囲の協力の中、バザーを企画したり何とか資金調達に奔走してきたそうです。
そんな、まさに身を削るような活動を行ってきたばっちゃんから、子どもに寄り添う活動をしている方へメッセージは非常に心を打つものだったので、そのままご紹介します。
「心が通じなければ子どもはついては来ない。心から相手に沿うことが1番大事だと思う。保護観察がついても、、、警察にお世話になったりしても、お互いに苦しさを共有した子はずっと付き合いがある。苦労して関わったり、育てた方が子どもにはいいのかなと思う。
今は、支援を頂いて色んなご飯出してるけど、質素であっても子どもに寄り添って気持ちがいきわたるようにしたら、豪華な食事じゃなくてもいいと思う。
こちらが、苦労しながら関わった子は成功してる。
親も苦労して子を育てる方がいい。
今の時代は、親を支えたり、子育てを学ぶ活動が必要だけど、そういった会が見当たらない。子どものために、親をどうにかしないと意味が無い。
様々な苦難があり大変だったが、今思うと続けて良かったと思える。
それは、かつて面倒見た子が大人になり、自分たちのようになって欲しく無いと寄付してくれるようになったよ。
最近は子どもの相談内容も変化してきた。
コロナ禍になり、相談が増えているのは性的虐待で、実父が娘に性的な虐待をするケースが目に付いてきた。
ばっちゃんが代表を務める「食べて語ろう会」への相談だけでなく、様々な支援機関からも同様の報告がある。
子ども食堂や、子どもを支援をされている方は、しっかりと子どもの話を聞いてあげて欲しい。」
後半のばっちゃんと語る時間では、参加者が子どもの支援と向き合う時の大切なことや、それぞれの活動や思いをシェアする時間となりました。
とても豊かな時間を一緒に過ごすことができて、スタッフとしても感動しました。
参加してくださった皆様、有難うございました!
終わってからのスタッフミーティングでは、毎年、ばっちゃんの声聞きたいから、毎年企画に出来ないかと提案が出るほど、参加した全員が心を震わせる、気づきのあるワークショップでした。
今回参加出来なかったみなさん、その際には、ぜひ参加してみてください。
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